
家は「そのひとらしさ」が表現されます。
施主が持っている「自分のスタイルや好み」は「美しさ」です。
私たちは、それに共感し、そして住まいに反映させます。
私たちが美しい設計をして、暮らし手はそのことを認識していて、そのスタイルをさらに広げて住みこなす。
美が美を呼ぶ、美の連鎖が始まります。
モノにこだわる一方、ある意味でこだわらない。
ある種のスタイルにはこだわるけれど、あれもこれもほしいとは思わない。
室内は統一されていてシンプル。
散らかしてもすぐにしまえて、すっきりとした空間を保つことができる。
自分のスタイルをもった空間やモノに囲まれて暮らすのは、慣れ親しんだ服を着るのと同じです。
涼しさ、香り、新鮮な空気、季節を運ぶ風、明暗の演出、あたたかさ、季節をもたらす光を取り込むこと。
シンプルで大きな構成。
自然の息吹を感じさせる植栽があること。
明るいところと暗いところがあること。
低いところと高いところがあること。
それぞれの場所が均一でないこと。
壁や窓、扉がバランスよく納まっていること。
自然な家族の連帯感は充実した暮らし方につながります。
同じ空間でそれぞれが思い思いに相手に気兼ねなく過ごすには工夫が必要です。
互いの姿が視野に入っていても、明るいところと暗いところがあること。低いところと高いところがあること。それぞれの場所が均一でないこと。これらを取り入れていれば、ここからは別の空間だよというサインになります。自然に邪魔してはいけないという配慮が生まれます。
使用目的を限定しない、融通性を持った空間にすることが大切です。
食事、勉強、読書、作業、テレビ、家事、接客。。。家族の溜まり場、昔からあった「茶の間」がいいかもしれません。
大きなテーブルが似合います。
主張し過ぎない素っ気なさと、気持の良さがあります。
時間の経過によって古びて味が出てきます。
暮らし手と一緒に歳を取ります。
自分たちの未来の暮らし方がどのようなものか。
完全注文住宅は工業製品ではありません。基本的に手作りです。
細かなことにこだわらないで、おおらかな気持で住まいづくりを楽しんでほしい。
自分を解放してわがままになり、自分の世界にひたれる場所をつくりたい。しかも夫婦それぞれに。
日常から離れ、非日常を楽しむことができることも、大きな暮らしを支える要素です。
部屋に「部屋名」をつけない。
きっちりしたつくりこみをしない。
暮らし手が自由にスペースを確保し使えるようにしておく。
生活を重ねていくうちに様子が変り、別の使い方をする可能性が見えてきます。
フレキシブルである必要があります。
窓から遠ざかると徐々に暗さが増して、気分が開放される明るいところと、落ち着く暗いところがある。
小さな空間であっても奥行きが出て部屋が大きく感じられます。
風道があること。
窓を開放すると、春秋などは、さわやかな風が家の中をすぅーっと通り過ぎて行く。
風は、樹木や花や土の香りを運んできます。
「いい季節になったなぁ」と感じさせてくれます。
一本でも木があることで、自然の力や四季の移ろいが楽しめ、生活にやすらぎとうるおいを与えてくれます。
一年を通して朝夕春夏秋冬に、窓から見える樹木はさまざまな表情を見せてくれます。
窓を開け放し、室内床と同じ高さのデッキに出れば、自然はいつもそこにあります。
外部とのつながりは、気分をのびやかに開放し、無意識に広さを感じさせてくれます。
春や秋の心地よさを家の中に取り込むことを思い出してください。
互いの気配が伝わってくると安心感があるものです。
連続した空間だからこそ可能になります。
その気配を背に感じ微笑んでしまうこともあるでしょう。
無理な気遣いをしなくても自然に家族の様子がわかり、気配を感じることができるからこそ、自然に声をかけ、自然に会話が生まれます。
手入れや補修費用を最小限にしていることを売りにしている住宅があります。
汚れがつきにくく、傷もつきにくい。
ほとんどは工業製品に依存した新建材で作られています。
たしかに新築時はきれいですが、経年に応じてくたびれていき、うす汚れた感じになっていきます。
けして古びた味にはなりません。
天然木や漆喰などの自然素材は、傷つき古びてきますが、掃除や手入れによって独特の味わいがでてきます。
「暮らし手と一緒に、きれいに歳をとる」ことができます。
掃除や手入れは住まいとの会話です。
だんだんと暮らし手になじんできます。
「家」は弱い部分から風化していくことを憶えておいてください。
家はステイタスではなく「家族の歴史をはこぶもの」です。
瞬間、瞬間にどのように感じて、どのように楽しく生きるのか。
いい時間を楽しむ感覚を覚悟する。