
よくお問い合わせを頂くのですが、デルタ武蔵野設計室にはハウスメーカー等が配布しているようなパンフレット等の用意がありません。
物販のように決まった商品を売っているのではなく、ゼロから設計し、オーナーに玄関のカギをお渡しするまでの一連の作業、その「能力」に対して報酬を頂戴しています。このプロセスをご理解いただければ大変ありがたく思います。
私たちは、1人1人の「暮らし方」に合わせて、「暮らすための道具」である「家」をデザインしています。
「家に体を合わせて暮らしてください」という考えは持っていません。
素材や形状はご予算の範囲で、オーナーと一緒に探し一緒に選択することにしています。
せっかく建てる「家」ですから、「体」に合わせた家造りをして頂きたいと考えています。
設計作業はとても時間がかかります。
でも、その繰り返しが最後に感動をもたらしてくれます。
「Aさんの家がこうだったから、Bさんの家もこうでいい」ということはありません。AさんにはAさんの、BさんにはBさんの為だけに作られた「家」であるべきだと考えています。
「体」に合わせて「家」を造って頂きたいのです。
私たちが造る家には、中庭があり、オープンデッキがあり、空中廊下があり、内とも外ともつかない「あいまいな空間」や坪庭が設けられることがあります。
たとえば、お気に入りの絵をお持ちの場合は、ギャラリーが生活空間に溶け込みます。陶芸や七宝焼きのための工房だって家の機能の1つになっていきます。大きな玄関に土間を作れば急なお客様の接待もできるでしょう。オープンデッキとオープンダイニングを隣接させて連窓を開け放てば、境目の無い広大な「オープンLDK」を提供できるでしょう。
「何が欲しいか」ではなく、「どんな暮らしがしたいのか」という生活スタイルのビジョンを作ることから始めてください。
私たちは「家に仕える」仕事をしています。
「人」でもなく「金」でもなく「家」に仕えています。
誤解を恐れずに言えば、その主人公は『家』なのです。
私たちはその『家』を作っています。
『家』を作って『家庭』を作ろうとしています。
どんな家がほしいのか?・・・本当のところ、施主にはわからないものです。
住宅メーカーの宣伝、雑誌など、情報には溢れていますが、バランス良く総合的に考えようとすると意外に少ない情報量かもしれません。
家に「体を合わせて」暮らすものだ・・・と思っているのかもしれません。
4人家族なら40坪なんだ・・・と信じているのかもしれません。
私たちは、暮らすための道具である「家」は、暮らし手に合わせて造られるべきだと信じています。
私たちが、お金を支払う人である施主の意見に固執してしまうと、施主の意見だけで家が作られてしまいます。
しかし、施主の意見だけを100%反映してしまうと、とんでもない家ができてしまいます。
言い換えると「とんでもない家庭」を世に送り出してしまいます。
専門家責任として忌々しき問題です。
形を作る設計段階では、施主から私たちに「暮らし方」が伝わって来るはずです。
その「暮らし方」を消化して「形」が生まれてくるのです。
単数の解釈もあるでしょう。
複数の解釈もあるでしょう。
対極に位置する解釈かもしれません。
その解釈の中に、自分達の未来が「天然色」で見えてきたら、それが限りなく近い正解かもしれません。
その正解が見えてくるまで繰り返しプランニングを行っています。
施主は、「自分達の暮らし」に関してはプロ。
誰よりも自分達の暮らし方を知っているはずです。
でも逆に言えば、
自分の事しか知らないのです。
株式会社デルタ武蔵野設計室
代表取締役社長
岸田 好猛